一挙にこれを叩きつけてやろうと、新鋭の巡洋艦隊を派遣した。それだけに結果を知らされた時、彼はあいた口がふさがらない思いを味わったし、海戦に参加したアメリカ海軍の駆逐艦乗りは、口を揃えてこう賛嘆したという。
「癪にさわるほど立派な連中だった」
そして、世界的に有名な軍事評論家ハリソン・ボールドウィンも、戦後になって、その著書のなかで激賞した。
「太平洋の戦争をとおして日本に二人の名将がいる。陸の牛島、海の田中」
牛島とは沖縄第三二軍司令官・牛島満中将であり、この癪にさわるほど立派な海の名将とは第二水雷戦隊司令官・田中頼三少将のことであった。
『完本・列伝 太平洋戦争』
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