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2015年8月9日日曜日

太平洋戦争時に陸軍の指導部に列した軍人は、

だいたいが明治十年代中期から二十年代後期にかけての生まれである。

陸軍幼年学校、陸軍士官学校、そして陸軍大学校と、陸軍の教育機関を優秀な成績で卒業している。つまり成績至上主義のこのような機関で相応の成績をあげていた。さらに彼らには、実戦体験が希薄であった。

太平洋戦争を担った軍事指導者の共通点のもう一点は、親ドイツ、反米英、という考えに固まっていたことである。

さらにもう一点加えるなら、昭和陸軍の軍事指導者は〈人間〉に対しての洞察力を著しく欠いていた。哲学的、倫理的側面から人間をみることはできず、単に戦時消耗品とみる気質から抜けだすことはできなかった。
『昭和陸軍の研究』

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