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2015年12月5日土曜日

「戦前にアメリカにおった駐在武官がですね、

その方が報告したものを印刷したんでしょうがね。これを要するに、戦争を始めるにあたって印刷したのでしょうね。これによると、アメリカ軍というのは、われわれのごとき軍隊とはまるっきり感じが違っておるんだと。まあ、朝もゆっくり起きて訓練を始めると、そして午前中に切り上げると、要するに猛烈な演習なんてのはやらないんだと。しかし、あんまり敵をバカにしていませんかね、と私たちは当時すでに感じたものでした。といっても、反駁のしようもない。こっちはアメリカ軍をまったく知らないんだから。このようなのが上陸前の状況でしたな。それから上陸したんですが、たちまち対空戦闘が始まってねえ、私ら歩兵が対空戦闘やらにゃならんというのは、こりゃ初めての体験ですよ。そういうことで、アメリカ軍とは何ぞや、ということを書いてあったパンフレットが、この時点ですでに役に立たなくなっておるじゃないかと」(当時、二十九聨隊第三大隊第十一中隊長、勝股治郎大尉)
『ガダルカナル戦記』

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