当時、稲田(正純)大佐(参謀本部作戦課長)は、よく直接大臣に短絡して事をきめる癖があり、このときも直接大臣に報告するので、それに立会うことになった。稲田大佐の報告では、要するに騎兵隊の仇討に第二十三師団の主力を派遣して「ソ」軍を一たたきするというのであった。報告が終った。岩畔(豪雄)(陸軍省)軍事課長がまさに発言しようとしたとき、板垣(征四郎)大臣は「よかろう」と、あっさり稲田大佐の意見に同意してしまった。大臣が同意すればそれまでである。これで「ノモンハン」の戦闘が始まることになった。
『昭和戦争史の証言 日本陸軍終焉の真実』
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