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2013年10月6日日曜日

日本軍隊用語集 ― 大本営(共)

大本営(だいほんえい)

大日本帝国憲法の第十一条には「天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス」とあり、日本軍の最高司令官であり絶対の命令指揮権があって政府ですらこれに介入できない。これが独特の統帥権である。

形式的には天皇の名による作戦命令の下令であるが、天皇がいちいち作戦を考えたわけではない。陸軍は参謀本部、海軍は軍令部の作戦参謀がつくった案を参謀総長や軍令部総長が承認し、宮中の侍従武官の手によって天皇の決裁をあおぐ。

ところが、いざ戦争に突入すると陸海軍が別々に動いていては、それこそいくさにならないので、戦時に限って陸の参謀本部と海の軍令部とを一本化した。この有機体が大本営であり、日清戦争直前の一八九三(明治二六)年に設けられたのが最初である。

大本営が設けられて一本化されると、陸軍参謀本部と海軍軍令部はそれぞれ大本営陸軍部と海軍部に名前が変わり、参謀たちは大本営参謀となる。そしてここから発令される命令はそれぞれ大陸命大海令と略して呼ばれた絶対的な戦略命令であった。

戦訓2 ― 指揮官の適材適所(南雲忠一)

太平洋戦争における日本海軍をみても、配置された指揮官が適材適所であったかどうかで、戦局を大きく左右した例がいくつかある。
ハワイ奇襲作戦の陣頭指揮をとった第一航空艦隊司令長官南雲忠一中将。

ハワイを目ざして進撃中の旗艦「赤城」の艦橋で南雲は、参謀長の草鹿龍之介少将にこう言った。
「参謀長、君はどう思うかね。僕はエライことを引き受けてしまった。僕が、もう少し気を強くして、きっぱり断わればよかったと思うが。いったい出るには出たが、うまくいくだろうかねえ」
いかにも不安げな顔色である。
「大丈夫ですよ。かならずうまくいきますよ」
草鹿はこともなげに言った。
「そうかねえ、君は楽天家だね。羨ましいよ」

南雲の性格を見通していた山本長官は、機動部隊の指揮官には小沢治三郎中将をあてたいものだと、側近の宇垣纏少将にひそかにもらしていた。
しかし、人事は海軍省の所管である。軍令承行令という人事・階級の序列を決める海軍法規からもできない相談である。

第一撃の攻撃隊二群は、真珠湾の敵艦艇や航空基地に大打撃をあたえた。艦隊では当然、第二撃の攻撃命令があるものと考えていたが、それがなかった。

「長門」の連合艦隊司令部では、南雲が第二撃を実施しないことに激高した。幕僚たちは第二撃を実施させるか、敵空母を求めて進撃させるか、山本長官に命令電を出すように迫ったのである。
「もちろん、それをやれば満点だ。僕も希望するが、被害状況が少しも分からないから、ここは機動部隊指揮官に判断を任せよう」
といって命令電は打たせなかった。このあと山本長官は、
「南雲はやらんだろうなあ」
と、そばの幕僚にもらしている。山本の推測は、まさに的中したのであった。

2013年10月5日土曜日

日本軍隊用語集 ― 皇軍(陸)

日本軍隊用語集

死語発掘
歴史の事実を伝えるため、埋没させてはならない、戦争を語る言葉たち。


皇軍(こうぐん)

天皇直属の軍隊のこと。
戦況を報道する新聞やラジオで「わが軍は」「わが帝国陸軍は」「わが日本軍は」など、まちまちの表現がすべて皇軍と統一されたのは、一九三七(昭和一二)年に始まった日中戦争のころからであった。

戦訓1 ― 見逃した石油タンク

真珠湾奇襲攻撃。
日本軍には第一目標を戦艦や空母などの大艦にむけて、それ以外には目もくれないという傾向があった。とくに輸送船や地上施設など、間接戦力を無視する傾向が強い。
血気にはやる攻撃隊は、とくに指示されないかぎり、手柄となる敵艦攻撃にのみ向かっていくのは当然のことである。
日本軍が見逃した燃料タンクは、米軍の反撃を支える重要な要素となった。この燃料がなかったならば、米空母は太平洋上を一歩も機動できず、その後の珊瑚海海戦もミッドウェー海戦も起きなかったか、あるいは日米両軍の戦闘方法が大きくサマがわりしたものになったであろう。

坂井の右目は、ガダルカナル島上空での

負傷で視力を失っている。
昭和十七年八月七日、敵SBD艦爆八機編隊を戦闘機と誤認し、後上方から攻撃をかけようとして後部旋回機銃に撃たれ、頭部に重傷を負ったのだ。
瀕死の重傷を負い、出血多量で半ば失神しながら奇跡的にラバウル基地に帰りついた。

SBDドーントレス

2013年10月4日金曜日

昭和十八年、ガダルカナル島をめぐる

航空戦では、部下たちの最期を幾度も眼のあたりにした。敵弾を浴びソロモンの海に飛沫を上げて突っ込んだ艦上爆撃機や、襲いかかる敵戦闘機から艦爆を守ろうと、自ら盾になって弾丸を受け、空中で火の玉となって爆発した零戦の姿を思い出すたび、あれが犬死にだというのか、と、やり切れない思いに涙が溢れてきた。

2013年10月2日水曜日

「お前たちの突入を成功させる

ため、直掩機まで未帰還になっているというのに、爆弾を捨てて帰ってくるとは何事だ!」
鈴木はめずらしく声を荒らげて橋爪を叱った。