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2015年9月13日日曜日

救助の方法すでになし

「つぎつぎ斃れだした」
との悲報がくる。ああ持ち場を死守して、ついに最悪の状態にたちいたったか。
「なんとかして機械室から上がれないか」
いまとなっては、それもかなわぬだろう。
「何かいい残すことはないか」
と思わず断腸の思いで連絡させた。
「なにもない」
とすぐ返事がもたらされた。
従容(しょうよう)として、持ち場を死守するものの声である。(元第二航空戦隊参謀・海軍中佐  久馬武夫)
『証言 ミッドウェー海戦』


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