「『ごめんね、わたしもすぐいくから』。そう言って母は3歳だった妹ののどに日本刀をあてがいました」。(72年前、9歳だった時の出来事を語る大島満吉さん(81))
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大島さんは旧満州(中国東北部)の興安南省で家族と暮らしていた。1945年8月9日にソ連が参戦。1千人以上の住民らとともに、一家は安全な場所を目指し、葛根廟(かっこんびょう)へと逃げた。8月14日。目的地の目前でソ連軍に遭遇。ガタガタと音をたて戦車が住民をひき殺し、銃撃戦が続いた。逃げられないと覚悟した母は、近くの在郷軍人の日本刀を借り妹を手にかけた。その直後、はぐれて死んだと思っていた父や兄と再会、終戦翌年の10月に帰国した。
――浅草公会堂(2017年11月24~26日)での「戦場体験者と出会える茶話会」でのお話しより
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