いよいよ出征にさいして、海軍大臣山本権兵衛に念を押しています。
「戦はなんとか頑張ってみますが、刀を鞘におさめる時機を忘れないでいただきます」
(日露戦争)当時の日本の人たちの冷静な計算、戦略には見るべきものがたくさんあります。
(……)
翻って太平洋戦争の日本人は……残念ながら、戦争の終結の方法なんて一切考えなかった。「ドイツが勝ったらアメリカも戦意を失う、終戦できるだろう」と他人のフンドシをあてにした。ドイツが負けたらどうするんだなんて、誰も考えてないんです。日露戦争前にはあれほどよく考えた日本人が、昭和になって実に安易であった。無責任であった。
(……)
「戦争はやってみなきゃわからないんだ」(開戦時の永野修身軍令部総長の言葉)
『あの戦争と日本人』
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