怒るわけでもなく、しみじみとした口調でこう言った。
「君の立場がうらやましい。この難局にさいして、しみじみ思う。大海軍といわれた各級指揮官は、残念ながら各部隊を統帥する力がなくなってきている。特攻という、こんなむごい戦争は、悪いということを承知の上だ。多くの非難を受けるだろうが、若いパイロットをいままで育ててきた大西にとっては、考えぬいてのことなんだ。
いま頼りになるのは、若いパイロットだけだ。君のように、しっかり部下を掌握していれば、何でぼくがこんなむごいことを考える必要があるものか」
【特攻とは何か】
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