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2016年11月23日水曜日

戦争終結を知り、彼女はこれで空襲もなくなり、

よく眠れる夜がくると心はずむ気持でいたところ、朝になって父親が無言で鳥居を取り壊しているのに気づいた。
「町内の人たちが建ててくれた鳥居を、どうしてこわすの」
と、何も知らずに実子が抗議すると、父寛助は、「犬死だったな……」としんみりとした口調で言い、
「敬一を、海軍なんかにやるんじゃなかった」(注、朝日隊の上野敬一)
とつぶやき、黙々と鳥居の後片づけをした。その後姿を見て、「はじめて父の哀しみが理解できました」と、次女実子は述懐している。
『特攻とは何か』

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