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2013年12月4日水曜日

児玉(源太郎)の重砲陣地の大転換は、

みごとな功を奏しつつあった。
二〇三高地に対する歩兵の突撃が開始されたのは、十二月五日の午前九時からである。
同十時二十分には二〇三高地西南角は完全に日本軍によって占領された。
二〇三高地東北角のロシア軍に対しては、午後一時三十分、攻撃を開始した。銃剣をきらめかせて突撃し、わずか三十分で占領を確実にした。
 
この間、児玉は始終戦闘経過を注視しつづけた。
児玉は、二〇三高地占領がほぼ確定した午後二時、みずから有線電話にとりつき、山頂の将校にむかって電話した。
「そこから旅順港は見えるか」
受話器に、山頂からの声がひびいた。
「見えます。まる見えであります。各艦一望のうちにおさめることができます」
 

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