青年学校で、私は、関東軍の一大佐の講演をきいたことがありました。対ソ戦についての講演で、こまかなことは忘れてしまいましたが「たとえソ連に戦車が何百台あろうと何ら恐れることはない。向こうの戦車をこちらで鹵獲(ろかく)し、それを使って、逆に相手に向けて進めばよいのだ」といわれたことは、なぜかしっかりと頭の芯に刻まれていたのです。
(……)
戦車を分捕るどころではない、戦いがはじまって、まだ間もないというのに、中隊長も、第一第二小隊長も戦死してしまい、仲間がどれほど死傷しているか、見当もつかないのです。
『静かなノモンハン』
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