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2013年11月3日日曜日

戦訓16 ― 被害対策の不備

日本海軍は、攻撃力を発揮するための訓練や戦策は徹底的に行なってきたが、防御については一般に関心が薄かった。
艦艇についても、敵弾が命中して被害が生じた場合、その損害をいかに最小限に食い止めるか、どのように応急処理をほどこすべきかなど、被害局限の研究がきわめて不足していた。
そうした研究不足のツケが、ミッドウェー海戦での四空母の被害に現われたのである。
とくに空母の飛行甲板が損傷したときの応急修理が、日本海軍ではほとんど研究されていなかった。また、爆弾が命中したことを想定した訓練も行なっていなかった。
これに対して、米空母の被害対策は念入りに研究され、消火対策や応急修理などの準備は格段に進んでいた。
もっとも典型的な例は、空母「ヨークタウン」の場合、この海戦でも珊瑚海海戦のときでも、被爆して火災となったが、いずれも消火に成功したばかりか、飛行甲板の応急修理を行なって、短時間のうちに飛行機の発着艦を可能にしている。
これに対して日本軍の四空母は、応急修理はおろか、火災を鎮火することもできなかった。「飛龍」の場合は消火に成功していたなら、艦を救うことができたと思われる。

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