武官(ぶかん)
今でこそ公務員は公僕ともいわれ国民にサービスする立場だが、つい半世紀前までの日本は極端な官尊民卑の国であった。官という国家機関に属する役人、天皇の官吏は国民の上に位置し、官と民とは上下関係をもつ階級であった。
大本営の発表にも「官民一体となり敢闘せり」などの文句があり、明治以後も官は武士であり民は農工商人であった。
軍隊は天皇の軍隊であったが、兵隊は武官ではなく、ただの国民であった。下士官の最下級の伍長になって、初めて判任官という武官に任官する。さらに将校になると高等官となる。
将校・下士官はすべて武官であるが、とくに天皇に仕えて宮中で軍部との取り次ぎをする侍従武官、各国の大・公使館に勤務する駐在武官、他国の戦争を視察する観戦武官など、とくに武官の名をつけた役職もあった。
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