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2018年10月14日日曜日

伝統の夜戦に敗れたサボ島沖海戦

全艦、戦闘配置についたまま、戦隊はガ島に向けて二〇ノットで疾走していた。
上空に吊光弾が輝き、味方部隊一面が真昼のように照らし出された。
「なんだ、これは!」
司令官の怒号が終わるか終わらないとき、ピカッと敵発砲の閃光がきらめき、敵弾がたちまち(旗艦「青葉」の)右斜め前の「吹雪」の中腹に命中、火災は轟音とともに暗闇の海を照らした。
「敵艦です!」
「配置につけ!」 
「面舵、左戦闘!」

『海戦物語  伝統の夜戦に敗れたサボ島沖海戦』

2018年10月1日月曜日

森崎中尉以下の六機が、

ラバウル東飛行場に帰着するや、いつもの場所で待ちかねていた宮野大尉が、つかつかと近づいてきて、まるで森崎中尉を拉致していくかのように、戦闘指揮所のほうへ伴っていった。
『六機の護衛戦闘機』

サボ島沖海戦

(旗艦「青葉」では)
「戦闘服装に着替え」
の命令が下されたが、すでに乗員は、全員準備が完了していた。
とくに上甲板に戦闘配置のある高角砲員、機銃員、見張員、測的員、探照灯員は、戦闘服装の上に黒色の雨衣をつけ、ゲートルをはいていた。白いゲートルは、全員が墨汁で黒く染めていた。夜戦のための、手ぎわよい配慮であった。

『海戦物語』

2018年9月4日火曜日

ガ島の飛行場が完成した二日後の

昭和十七(1942)年八月七日午前四時十二分
発: ツラギ通信基地
宛: 新設された在ラバウルの第八艦隊司令部(司令長官 三川軍一中将)
緊急信: 『敵猛爆中』

午前四時二十五分
『敵機動部隊見ユ』
『敵機動部隊二〇隻「ツラギ」に来襲空爆中  上陸準備中  救援頼ム』

午前五時十九分
『敵ハ「ツラギ」ニ上陸開始』

午前六時過ぎ
『敵兵力大  最後ノ一兵迄守ル  武運長久ヲ祈ル』
以後連絡途絶

――『歴史群像  2018 APR.』より

旅順要塞第一次総攻撃

旅順要塞第一次総攻撃
明治37(1904)年8月19日~24日
日本軍     戦闘参加総員数  五万七千七百六十五
              死傷者              一万五千八百六十
ロシア軍  戦闘参加総員数  約三万七千
              死傷者              約千五百

24日午後五時
「強襲攻撃を一時中止する。現在地を堅固に守り、爾後の命令を待て」(乃木軍司令官)
『血風二百三高地』

ニ〇三高地の悲劇

設備は清の時代の旧式の陣地に
壕(ごう)を多少増築させるのみ
永久築城なしと思う
               参謀本部の報告より

2018年6月22日金曜日

「俺は知らなかった。あいつ等は

俺を誘わなかった。おそらく俺が新婚の身だったのを、いたわったのだろう。加納も、本間も、山口もだ」
麗子は良人の親友であり、たびたびこの家へも遊びに来た元気な青年将校の顔を思い浮べた。
「おそらく明日にも勅命が下るだろう。奴等は叛乱軍の汚名を着るだろう。俺は部下を指揮して奴らを討たねばならん。……俺にはできん。そんなことはできん」
―― 三島由紀夫『憂国』