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2018年12月13日木曜日

暴戻なる第二十九軍の挑戦に基因して

いまや北支に事端を生ぜり。わが関東軍は多大の関心と重大なる決意を保持しつつ厳に本事件の成行きを注視す。

昨夜七月七日午後十時半ごろ、北平の南に位置する盧溝橋付近で一発の銃声がまず鳴り響いた。
『満州国演義』

2018年11月25日日曜日

朝飯前の首都攻略

またわが軍のラングーン入城が、市民の歓呼に迎えられ、あたかも凱旋部隊のごとくに待遇されたことは、将兵が眉に唾をして真偽を疑うほどの事態であったが、真相は、西洋人を駆逐した東洋友邦の威力に対する敬愛の民族心理にほかならなかった。
『帝国陸軍の最後』

2018年11月24日土曜日

内地時間で午後四時十二分(現地時間五時四十分ごろ)、

旗艦「鳥海」のマストに三川中将訓示の信号が掲げられた。「帝国海軍ノ伝統タル夜戦二於テ必勝ヲ期シ突入セントス。各員冷静沈着克クソノ全力ヲ尽クスベシ」
『ガダルカナル戦記』

そのとき、地を揺るがす新しい物音が

聞こえてきました。気がつくと、戦車(水陸両用戦車)が退(さが)る敵を逃がしてなるかとばかり迫っているのです。敵は戦車まで上陸させていたのかと、またしてもショックでした。一時は自殺も考えましたが、爆薬も手榴弾も、すでに身に帯びていませんでしたし……。友軍がすっかり去ってしまってからも、私は、累々と横たわる戦友の屍と一緒に、地べたに長くなっていました。
『ガダルカナル戦記』

2018年11月18日日曜日

その弾雨のなかで私たちは、

突撃に備えて銃に着剣し、日本軍独特の夜襲体勢を整えたのです。着剣し終わった銃を右手で引きずり、なおも這いながら前進、と思った途端、前を行く戦友の動きがはたと止まった。何事ならんと訝っていると『川だ』という声が伝わってきた。川(名称、中川)が前進を阻んだらしい、ということがわかってきた。
『ガダルカナル戦記』

2018年11月17日土曜日

我々は暗に乗じて

工兵隊のあやつる鉄舟につぎつぎ乗り込み、渡河した。浅瀬が近づくとそれぞれ鉄舟よりザブンと河に飛び込み、対岸のあらかじめ命令された地点に集結する。
『インパール作戦従軍記』

2018年11月11日日曜日

「……これが佐藤(師団長)からきた電文だ。

――弾一発、米一粒も補給なし。敵の弾、敵の糧秣を奪って攻撃を続行中。今やたのみとするは空中よりの補給のみ。敵は、糧秣弾薬はもとより、武装兵員まで空中輸送するを眼の前に見て、ただただ慨嘆す。……こっちは山内からきたものだ。――第一線は撃つに弾なく、今や、豪雨と泥濘のうちに、傷病と飢餓のために戦闘力を失うに至れり。第一線部隊をして、ここに立ち至らしめたものは、実に、軍と、牟田口の無能のためなり」
『インパール』