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2015年11月29日日曜日

昭和十六年十一月二十六日、南雲の機動部隊は

雪の単冠湾から、最終目的地へ向かい三千マイルの征旅についた。
『真珠湾のサムライ 淵田美津雄』

2015年11月28日土曜日

スターリンの質問にたいして答えたジューコフの見解は、

あっぱれな正答である。
「日本軍の下士官兵は頑強で勇敢であり、青年将校は狂信的な頑強さで戦うが、高級将校は無能である」
『ノモンハンの夏』

「生き地獄というものがあるでしょ。

あれですよ。タマに当たって死んだというのは何パーセントかで、マラリアと脚気でね。前にもね、ガ島の話を聞きたいというのが来たけどね、私は一週間ぐらい絶食して来てくれ、といったんですよ、うん。ガ島の話っていうのはね、要するに、とても二時間や三時間で話し尽くすことなんかできる問題じゃないですよ。半年間ですよ、そんなもの一日や二日で話なんかできやしませんよ」(当時第二師団歩兵第四聨隊第一大隊第三中隊、陸軍兵長、山田辰雄氏)
『ガダルカナル戦記』

2015年11月23日月曜日

昭和陸軍

総辞職した若槻礼次郎民政党内閣に代わり、昭和六年十二月十三日、犬養毅政友会内閣が発足した。陸軍大臣には荒木貞夫が就任。宇垣派が失脚し、陸軍の組織的政治介入を必要と考える一夕会により、陸軍における権力転換が実現した。「昭和陸軍」の始まりである。

2015年11月22日日曜日

このときのわれらの姿を客観視すれば、

さぞかし昔語りに出てくる手拭で頰かむりをした狐の嫁入りそっくりであったろうと思う。しかし、敵サンは、われわれの隠密裡の行動を、“狐の嫁入り”と見逃してはくれなかった。それは言語を絶する砲弾の洗礼であった。暗闇の中に折り重なって伏せてはいるが、心許なく、どこかに窪地はないものかと気を配る。砲弾は、周囲の樹木を薙ぎ倒し、その破片は容赦もなく戦友を死に至らしめ、あるいは傷つける。各小隊とも、てんでんばらばらである」(当時、歩兵第百二十四聨隊第三大隊第九中隊第一小隊、陸軍上等兵山本力三氏)
『ガダルカナル戦記』

「大隊長は国生ちゅう少佐やったですがね。

このひとが、すでにこのころ、『こりゃもうダメだな』と言うとりましたわ。自分はこれはもう戦死覚悟だ、と言うてました。この言葉が、現在でも非常に印象的ですな。それちゅうのはね、敵の飛行機ばかりが上空を乱舞して味方の飛行機は影もかたちも見えんし、基地を強化するための資材や武器弾薬を積んどるであろう敵の輸送船もね、あたりはばからず次々と入ってきておるしね」(当時、歩兵第百二十四聨隊第一大隊付主計、陸軍主計少尉牧凞氏)
『ガダルカナル戦記』

「松山(明太郎)中尉がね、

『こりゃ今度の戦闘で、尉官クラスが生き残るのは誰かなあ』という意味のことをポッツリ洩らしましてね。道々ね。それくらいね、ムシが知らすという表現は適切ではないかもしれんが、上陸以来の敵機の跳梁、そのほか周囲の環境でね、こりゃ容易ならん戦場だと、われわれはすでに攻撃決行前に思っておったですね」(当時、歩兵第百二十四聨隊第一大隊第二中隊第一小隊長、永井憲三氏)
『ガダルカナル戦記』

2015年11月8日日曜日

一木先遣隊壊滅

突撃が開始されたのは、(昭和十七年八月)二十一日の未明であった。砂州を越えようとしたとき、左前方から猛烈な弾幕が飛んできた。一部には、対岸に辿り着いて鉄条網の内部に進入したものもあったらしいが、大部分は砂州の前後に折り重なって倒れた。敵の集中砲火には、迫撃砲、榴弾砲らしきものが加わりはじめた。
……
やがて敵の一部が、中川(イル川)の上流を渡って進出し、迂回して一木支隊の背後から襲撃してきた。これがほぼ午前十時ごろのことである。右側は海であり、一木支隊は完全に包囲されたかたちになった。午後になって、敵は水陸両用戦車をくり出してきた。戦闘が終熄したのは午後三時ごろのことであったといわれる。全滅といってよい敗北であった。
『ガダルカナル戦記』



「小銃と機関銃だけじゃ大変でしょう。

するとくだんの中隊長いわく、『われわれは夜戦の斬り込み攻撃をやるので、心配いりません。また、従来の三八式銃ではなくて、九九式という新鋭小銃を下賜されておる。このように立派な銃をあずかっている限り大丈夫である』そのように士気は極めて旺盛だった。われわれ『陽炎』乗員も、成功を祈る気持ちは一杯で、中隊長がああ言うなら大丈夫だろうと思ったりもした」(駆逐艦陽炎水雷長、高田敏夫氏)
『ガダルカナル戦記』

2015年11月3日火曜日

東部ニューギニアの要地として執着した

ポートモレスビーに対する攻略も、(ガダルカナル奪回と)ほとんど同時に失敗した。眼下にポートモレスビーの夜景を見下ろすところまで到達しながら撤退を余儀なくされ、二度と再び、日本軍がその地の土を踏むことがなかったことは、周知のとおりである。敗れた原因は、これもガ島の場合と同じく、補給の問題を軽視したからである。
『ガダルカナル戦記』