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2015年3月20日金曜日

作戦の中身そのものの是非論でいえば反対だが、

組織の論理では「出来ない」ということは許されない、というわけである。
この考え方は、きわめて日本的である。現代の日本でも、政党や官僚、企業といった組織の中に蔓延している不変の価値観である。

しかし、このために取り返しのつかないさまざまな犠牲が出た。インパール作戦の失敗も、その一つである。インパール作戦をめぐる「組織の空気」は、まったくこの「日本的組織第一主義の価値観」に染まっていた。そして、その空気の中での作戦の決定と遂行は、「無責任」というキーワードで語られるべき多くの行為を生んでいった。現代のサラリーマンの多くが、大なり小なり日常で感じているさまざまな葛藤は、このインパール作戦の顛末の類型といえる。
『責任なき戦場』

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