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2018年11月4日日曜日

しかし、強引に作戦を主張する牟田口を押えて

その不満を買うことは、牟田口を通じてその直系東条(英機)の怒りを、そのまま自身(ビルマ方面軍司令官河辺正三中将)に刎(は)ね返らせることになるという弱気から、自己の一身を賭してまで、牟田口に反対することを狡(ずる)く避けた。――三個師八万五千余の日本軍を夥(おびただ)しい鉄量と飢餓と、ジャングルの泥濘に白骨化せしめたインパールの悲劇はこうした軍部の、きわめて少数者の反目や野心の犠牲であったともいえる。
『インパール』

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