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2018年6月6日水曜日

司令官逃避

陸軍刑法は冒頭に述べたように、組織上、下部の者ほどいじめられるように出来ている。この副官のように自分にはできもしないことを他人に押しつけることが、上級の者には許されている。「上官の命を承ること実は直に朕が命を承る義なりと心得よ」と軍人勅諭にあるから、始末が悪い。
著者は巧妙な表現を用いている。「軍隊では、どんなことでも理由になる。あるいは、理由になることでも理由にならない」
その通りである。
――『軍旗はためく下に  第三話 司令官逃避』への五味川純平氏の解説より

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