ページ

2013年11月1日金曜日

戦訓12 ― 楽観気運と機密の漏洩

開戦以来、とくに空母「赤城」「加賀」の第一航空戦隊、「蒼龍」「飛龍」の第二航空戦隊の強さは抜群であった。
この二つの戦隊の飛行機搭乗員の戦技は、実戦によってさらに磨きがかけられ、これ以上は望めないほどの熟練ぶりで、まさに神技の域に達した名人ぞろいであった。
したがって彼らの戦力は高く評価され、どのような情勢になっても、天下無敵の一航戦と二航戦が出かけてゆけば、どんな敵でも簡単に処理してしまうだろうと、誇大な期待感と安心感がひろまっていた。
楽観気運は将兵の緊張感を欠落させ、機密保持の心構えを弛緩させた。

ミッドウェー作戦計画は秘中の秘であり、激論のすえ、四月五日に作戦案が正式に採択された。
それから極秘のうちに作戦準備にかかったのだが、なんと、一週間もたたないうちにシンガポールで、次の攻略地はミッドウェーだと流布していたのである。
まして内地では、公然の秘密となっていた。海軍部内だけでなく、巷間にも噂はながれていた。とくに横須賀、呉、佐世保などの軍港地では、飲み屋のおかみさんまで知っていたほどである。
ハワイ作戦のときは、海軍部内のトップクラスの指揮官、要職者だけにしか知らされず、軍艦の次席指揮官である副長にさえ出撃後に知らせたほど機密保持は厳重であった。
それにくらべると、今回は雲泥の差である。ゆるみきった楽観気運が、重大な機密をやすやすと流してしまっていたのである。
それがミッドウェー海戦の敗北の一因になっていたことは言うまでもない。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。