ページ

2017年7月8日土曜日

「いよいよ米軍の上陸だ。平素の訓練を発揮し、

御国(みくに)に御奉公すべきときが来た。ひめゆり学徒の本領を発揮し、皇国のために働いてもらいたい」(西岡部長)
と感慨にみちた面持ちで、わざわざ縁先からおりて一人一人にあいさつされた。乙女らの胸は、桜の校章で飾られてはりつめていた。
アルバムからはぎとった親兄弟、親しいお友達の写真を胸に抱きしめながら、部長住宅の西門から南風原陸軍病院へと出発したのは十時ごろだった。
『ひめゆりの塔をめぐる人々の手記』


0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。