同じく陸軍次官をしていた東條英機を揶揄した話が書いてある。
東條はその当時から能弁で、何にでも一家言を立てたい方であったらしく、ある日の次官会議で、談たまたま航空の事に及ぶと、滔々と陸軍新鋭機の性能を述べ立てて列席の一同を煙にまいた。東條の話を、一段落すむまで黙って聞いていた山本は、不意に、
「ホホウ。えらいね。君のとこの飛行機も、飛んだか。それはえらい」
と、にこりともせずに言った。「海の荒鷲陸のにわとり」というのは、必ずしも海軍軍人の自慢とばかり言えないところがあって、笑わないのは山本と東條だけで、各省次官連は爆笑したそうである。
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