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2013年10月12日土曜日

日本軍隊用語集 ― 鎮守府(海)

鎮守府(ちんじゅふ)

明治のはじめ陸軍に鎮台、海軍にこの鎮守府が設けられた。
鎮は鎮定や鎮火のように災害をしずめ国や村の安定を守る意味があり、軍のラッパ譜にも儀式用の「国の鎮め」という曲がある。

最終的に横須賀・呉・佐世保・舞鶴の四大鎮守府に落ち着いた。略称はヨコチン、クレチン、サチン、マイチンである。
すべての帝国海軍の艦艇と下士官・兵は、この中のどれかの鎮守府に在籍するようになっているから船と軍人の本籍地ともいえよう。

この鎮守府の一ランク下は要港部になり、小規模の海軍基地で大湊、台湾の馬公、朝鮮の鎮海、満州の旅順などにあり、太平洋戦争中には占領したシンガポールにもつくられて「昭南要港部」となった。

鎮守府のボスは天皇が直接に任命した海軍中将または大将で、二・二六事件のときのような戒厳令下には独断で兵力を動かす権限ももち、艦隊司令官またはそれ以上の要職であった。重要なポストであるから、後に海軍大臣や連合艦隊司令長官になったエリートはたいていこのポストを通過している。

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