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2013年12月22日日曜日

日本軍隊用語集 ― 特務士官(海)

特務士官(とくむしかん)

海軍士官になるには旧制中学校から兵学校・機関学校・経理学校・軍医学校に入り、そこを卒業して現役士官に任官するのが最もオーソドックスである。
戦争に入ると、幹部不足を埋めるために大学や高等専門学校出を大量に採用して間に合わせるが、商船学校出と同じに予備士官の身分であり、戦争が片づけばお払い箱となって民間人に戻っていく。
特務士官はそのどちらでもなく、兵隊から一段ずつ階段を登りつめ、兵曹・兵曹長という下士官をへて士官となった「たたきあげ」である。
兵隊から選抜のうえに選抜され、さらに長い年月をかけてあるから腕前は抜群、人格も高潔で部下には絶大な信望があり、兵学校出の少・中尉など足もとにも寄れない強力な存在であった。
彼らは普通の兵科・機関科上がりであり、仕事も現役の各科士官と同じで、特務士官の特務は明らかに差別用語で特別勤務をするわけではない。
艦内では分隊長になれず部屋も現役士官とは別、服装も肩章の金線が細く袖章にも差別を表わす桜の花がついている。
日本海軍の真の担い手は、特務士官と下士官であったと胸を張る人もいる。

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